「実家を掃除するのに疲れた」
「整理だけしてもすぐに汚れてしまう」
など、実家の片付けの問題は、親御さんが年齢を重ねていくとともに訪れます。
断捨離や片付けがブームになっていますが、同じ片付けでも親御さんのいる実家では、片付けに対する取り組み方が大きく異なります。
今回は、うんざり・もめる・疲れる原因、円滑な整理のためのプロが教えるコツと手順を紹介します。
■この記事はこんな方におすすめ!■
・実家の片付けがぜんぜん進まない!
・実家の片付けを親が拒んでもめる!
・誰かにゴミ片付けをやって欲しい!
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実家の片付けはなぜうんざり・もめる・疲れる?
親御さんの世代になるとモノに関して「もったいない」「思い出がある」「いつか使う」といった、捨てられない症候群の方が大変多いです。
親御さんの世代は持っているものが多ければ幸せだと思い、物を大切に長く使っています。
戦後のモノのない時代であったとか、学校教育がそうであったなど様々な理由がありますが、とにかく現代の現役世代と比べると、格段に物を捨てることに抵抗があります。
少し壊れたときでも捨てずに「まだ使える」モノを保管する傾向が根強いです。
その結果、どんどん家がモノだらけになっていきます。
親御さんに「片付けて欲しい」と言っても「大丈夫。余計なことをしないで」と言われることがよくあるものです。
実家はとにかく物が多くて探し物を見つけるのも一苦労な状態で、子としては、親御さんが元気なうちに少しでも片付けておきたいと思うものですが、なかなかうまくいきません。
親だからこそ、余計に子に聞く耳を持たないという方も多いです。
「親ともめない」片付けの始めかた
実家に帰省して長く滞在する機会があれば、実家を生前整理するチャンスです。
ただし、親御さんの意志を尊重し、親御さんのプライドを傷つけないように細心の注意を払う必要があります。
実家でしてはいけないNGな言動を知っておきましょう。
「終活」や「生前整理」は親御さんの前ではNGワード
親御さんの前では、終活や生前整理といった言葉は使わないでください。
「親の死を待ち望んでいるのか」と勘違いされ、そこで大きくもめることがよくあります。
ご実家は子供の頃に住んでいたとはいえ、今では親御さんたちの生活領域なのです。
いきなりリビングはNG!片付けは1か所(しかも狭いところ)から始めよう
片付けを始めるのに最適な場所は、玄関やバスルームなどの、片付けるのに時間が少なくて済む、小さなスペースです。
この場合でも家具を移したり、物の収納スペースを完全に変えてしまうと親御さんは迷って適応できなくなり、不快感を感じることがあります。
ご両親が簡単にモノの場所や位置を理解し、楽に生活をしてくれるように、整理に優先順位をつけてください。
リビングやキッチンなど大きいエリアをいっきに片付けたいと思うものですが、親御さんが長い時間を過ごす場所は様子を見ながら少しずつ片付けるほうがおすすめです。
いっきに片付いて素直に喜んでくれる場合は問題ないですが、場合によってはモノの位置が分からなくなって、後で喧嘩の火種となることがあります。
親御さんの生活習慣にあわせて安全に暮らせるように配慮しましょう。
「年寄りだから転ぶ」はNG!防災・避難経路を片付ける
整理整頓の理由に「年寄りだから」「転ぶから」と言ってしまうのはNGです。
親御さんは年寄り扱いされることに大変感情的になることがありますから、若い人に対しても使える理由を用いてください。
停電や地震に備えた防災を大義名分にすれば、御両親を説得しやすくなります。
玄関と廊下、トイレにつながる動線を整理し、リビングと寝室の頭の上のものは崩れると落下する危険性がありますので、「安全な場所に移す」と言うと角が立ちません。
実家のモノには4種類!勝手に捨てるのはNG!
実家のモノの種類
- 今、まさに使っているモノ
- 今は使っていないけど、すぐに使えるように収納されているモノ
- ただ持っているだけで、放っておかれているモノ
- 何も生かされることなく、ただ廃棄を待つだけのモノ
まず、捨てる優先順位は4からになります。
これは生ゴミ、不燃ごみなど親御さんにとっても何の思い入れもないただのゴミです。
一応捨てることだけことわっておいて、捨ててしまえるものです。
3に関しては親御さんに決断してもらう必要があります。
親御さんは特に思い出のあるものは、使うことはなくてもずっと持っていたいと思っています。
ただ、全部必要なモノと最初は言うかもしれませんが、説得すると了承してくれるモノもけっこうあります。
まずは実家の大量のモノのうち、3と4のモノから整理していきましょう。
また、親御さんの性格をよく考え、場合によっては「一緒に片づけて」と要求したり、「私が片づける」と言ってしまうと、これもいい気分はしないかもしれません。
そういう場合は親御さんにストレートに言わずに、楽しく会話をしながら、目の前で手を動かして、そこにあるものから片付けましょう。